2012年5月22日火曜日

第56回 建築人間工学研究会「KINECTをつかった動作計測ワークショップ」開催のお知らせ

近年のセンサー技術の発展はめざましく、数年前であれば数百万円から数千万円もするような高度な技術を応用した計測設備が、数千円から数万円で手に入れることが出来るようになりました。もちろん、このようなハードウェアは高価な設備に比べて性能(精度・速度・解像度)に見劣りしますが、安価であることの優位性を発揮することで、スケールメリットのある実験への発展や、これまでの研究成果を応用した一般への普及が期待できます。

このような背景を受け、第56回研究会ではMicrosoft社が販売している「KINECT(キネクト)」を取り上げ、開発環境の導入というごく最初の手順から実際のプログラム試作に至るまでの工程を、同社の技術者による解説を交えながらワークショップ形式で実施します。


「KINECT」はNI(Natual Interface)と呼ばれる人体観測システムを持つので、建築人間工学のような人間の動作・行動特性を研究対象とする分野において親和性が高く、これを応用することが今後の研究の進展に対するブレークスルーとなることだけでなく、家庭や病院などへの導入による応用が期待できます。

「KINECT」に興味があるものの技術的に手が届かなかった学生や研究者らがこの研究会に参加することで、導入部分のハードルを乗り越え、その後の研究の進展へスムーズにつなげていくことを目指します。今回の研究会は、ただ聞くだけの研究会ではなく、「全員が手を動かす」ことを前提とした参加型のワークショップを実施します。参加に関する注意事項をよくお読みいただき、充実した内容の研究会にしていただければと思います。

開催概要:

主催 ―― 建築人間工学小委員会
日時 ―― 6月29日(金)13:30~17:00
会場 ―― 建築会館3階会議室(東京都港区芝5-26-20)
パネリスト ―― 千葉慎二(日本マイクロソフト株式会社)
参加費 ―― 会員1,000円、会員外1,500円、学生500円
申込み/問合せ ―― 要/事務局研究事業G 森田(morita@aij.or.jp

参加に関する注意事項
レクチャーの難易度:
ワークショップではMicrosoft社のVisual C++とKINECT SDKを使ったプログラミング実習を行います。難易度は初学者向けのものとなっており、プログラミングにまったく触れたことがない方でも無理のない内容となるようにしております。

持ち物:
・ノート型PC(ただしOSはWindows 7のみ。Windows VistaやOS Xなどは非対応ですのでご注意下さい)
・Visual C++ 2010 Express Editionを下記よりインストールして下さい。
・KINECT for Windows SDKを下記よりインストールして下さい。
・KINECT本体は小委員会で用意しますが、もしお手持ちであればご持参下さい。
・建築会館内でもWiFiによるインターネット接続が可能ですが、事前にご準備をお願いします。
・Microsoft Excelなどの表計算ソフトがインストールされている環境

ワークショップ概要:
・趣旨説明とKINECTの紹介の後、Visual C++によるプログラミングレクチャーを実施します。レクチャーではパネリストに準備していただいた教材プログラムを使用します。
・ワークショップはグループ単位で実施しますが、プログラミングは個別で行います(基本的に参加者全員が手を動かすのが前提です!)。
・後半はグループごとに動作計測実習を行います。

ご挨拶

建築人間工学小委員会(日本建築学会)のウェブログを開始しました。小委員会での活動などを積極的に発信してゆきます。

今後ともよろしくお願いいたします。